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2004年WIN-Global年次大会/国際市民フォーラム・速報(2004.5.17〜21)
2004年5月27日
第12回 WIN-Global 年次大会・国際市民フォーラム 議事メモ(速報)
1.開催趣旨
WIN-Globalでは、各国メンバー間の交流を深め情報を共有する目的で年一度年次大会を開催している。今回日本で初めて行われる年次大会で、WIN-Japanメンバーは国際会議への積極的な参加を通 じ、国際人脈形成をはじめ、講演・分科会での知見による資質の向上を諮ることができ、今後の原子力推進活動にとって良いインセンティブを得られる。又、国際市民フォーラムは、WIN大会史上初めての本格的かつ大規模な市民への理解活動の実践である。このフォーラムは、一般 市民が、直接海外の声を聞くことにより、海外では原子力が衰退しているのではないかとの誤解を解消し、一般 市民に原子燃料サイクル、廃棄物問題などの問題について、正しい情報を提供する目的で開催する。また全国の女性グループが一堂に会するネットワーク作りの場としても有効である。
 
2.開催概要
日時: 2004年5月17日(月)〜 22日(土)
場所: WIN-Global年次大会(WIN会員対象) − 東京ドームホテル
国際市民フォーラム(WIN会員・一般 市民)− 経団連ホール
参加人数: 455名(内訳は下記の通 り)
WIN会員 海外 59名 17カ国より参加
  日本 109名  
  小計 168名  
一般市民   287名 国際市民フォーラム参加者
合 計   455名 国際市民フォーラム参加者含む
3.プログラム内容
5/17(月) 11:00-14:00 WIN-Global理事会
  15:00-17:00 WIN-Japan年次大会
  18:00-21:00 WIN-Asia
5/18(火) 8:30- 9:00 歓迎挨拶
  9:00-10:30 基調講演 @「岐路に立つ日本のエネルギー政策」加納時男氏 A「動き出した日本の男女共同参画社会」名取はにわ氏
  11:00-12:00 WIN-Global総会
  13:30-14:30 技術講演 @「原子力のリスクと安全目標」松原純子氏 A「原子力産業で活躍するロボットたち」大西典子氏
  15:00-1800 各国からの活動報告
  19:00-21:00 歓迎レセプション
5/19(水) 8:30- 9:30 キーノートセッション 「高温ガス炉による水素製造研究開発」小川益郎氏
  9:45- 12:00 テーマ別 技術セッション
  14:00-17:00 国際市民フォーラム「21世紀のエネルギー、原子力は選択されるか」
  17:15-18:15 ワイン&チーズパーティー
5/20(木) 7:00- 21:00 テクニカルツアー(東京電力(株)柏崎刈羽原子力発電所)
柏崎刈羽原子力発電所、BWR運転訓練センター見学
5/21(金) 〜 5/22(土) 8:30- 21:00 〜 8:30- 19:30 オプショナルツアー(広島) (財)放射線影響研究所、宮島・厳島神社、原爆ドーム、 広島平和記念資料館見学
4.議事概要

<WIN-Global理事会>
5月17日(月)11:00-14:00 @東京ドームホテル「シリウス」 参加人数:25名
WIN-Global総会への提案事項を下記の通 り決定した。
・WIN憲章の改定は無し。
・WIN-Global次期会長に、WIN-Japan会長小川順子氏を選任。
・WIN Awardについては今後候補者を募り今年中に決定する。
・WIN Award対象者は個人、あるいは個人を特定できる小集団とする。WIN各国支部は対象外。
・2005年度 WIN-Global開催地はチェコ共和国とする。
・今回の大会に参加登録したWIN-JapanメンバーをWIN-Globalメンバーとして会員登録する。

<WIN-Asia>
5月17日(月)18:00-21:00 @東京ドームホテル「シリウス」参加国:7カ国 参加人数:43名
基調講演「Public Information and Acceptance of Nuclear Energy」Mr. John Chung(RCA)
一般市民に原子力に関する情報提供をする際には、正確に分かり易く迅速に、客観性を持つことが大切である。又、年齢、職業、教育、政治、思想的局面 等から市民をグループ分けし各グループに合ったアプローチを取ると有効的である。反対派というものは必ず存在するが、誤った理解を正し、正確な情報を提供、共有することで信頼回復につながる。又、広報活動を始めるに当たっては、広報専門家を雇用し情報公開に関する政策制定、反対派への対応戦略を立てる、第三者を関与させる、地元との連携を強化することなどが重要と考える。
・7カ国の代表により、WIN活動の現状と、未だ国内組織がない国からは、今後の見通 しについて報告があった。今回初参加は、インドネシア、フィリピン、パキスタンであった。WIN国内組織がない国は、ベトナム、フィリピン、パキスタン。各国とも、今後の取組みに意欲的であった。
・韓国より、WIN-Asiaの設立について提案がなされた。「会長を置き、組織、規程を整える」という韓国案について、日本、台湾は「緩やかなネットワーク」を提案し、決定を持ち越すことになった。

<基調講演>
5月18日(火)9:00-10:30 @東京ドームホテル「天空」 参加人数:約160名
○「岐路に立つ日本のエネルギー政策」加納時男氏(参議院議員)
新たなリスクとして政策リスク、経済リスク及び社会リスクが発生。リスクのコントロールが重要。エネルギー政策基本法が制定され原子力の位 置付けが明確化。次世代の水素社会で原子力が重要な役割を果 たすと考える。
○「動き出した日本の男女共同参画社会」名取はにわ氏(内閣府男女共同参画局長)
日本は「男女共同参画社会」の点については非常に遅れており、現在、基本法や基本計画などを制定し、社会的整備を進めているところである。今後、目標値設定、支援制度整備やネットワーク形成により発展させる。

<WIN-Global総会>

5月18日(火)11:00-12:00 @東京ドームホテル「天空」 参加人数:約160名
WIN-Global理事会で確認された上記提案事項については全て承認された。
*その他、カルニノ元会長、小川新会長から下記について報告された。
・2006年度WIN-Global開催国としてカナダが立候補している。
・今後、WIN-GlobalのWeb Siteを活性化していきたい(学術・科学情報等の記事を載せる、WIN各国支部のリンクを貼る等…)。
・WIN海外メンバーに、日本の原子力広報誌「原子力eye」に記事を寄稿して頂くよう依頼した。

<技術講演>

5月18日(火)13:30-14:30 @東京ドームホテル「天空」 参加人数:約160名
○「原子力のリスクと安全目標」松原純子氏(前原子力安全委員長代理)
原子力利用に関して不安と不信感を持つ人が多いが、それは、技術が複雑な上に、「安心」と「安全」が区別 されていないことが原因である。このような懸念を払拭するためには、多重障壁のようなハードウェア面 の対策のみならず、規制当局等によるダブルチェックといったソフトウェア面 からの対策も必要である。関係者は、公衆の視点に立ったわかりやすい説明をしているか、民主的な手続きが社会に根付いているか等について、しっかり自問し、有効な対策を推進すべきである。
○「原子力産業で活躍するロボットたち」大西典子氏(三菱重工業株式会社)
原子力産業においても、作業員の被ばく低減のためにロボットが活躍している。これまでにマニピュレータ、超音波検査ロボットや防災対策としての移動ロボットなどが開発されている。今後は産業用、家庭用にも展開していく。

<各国からの活動報告>
5月18日(火)15:00-18:00 @東京ドームホテル「天空」 参加人数:約160名
17カ国(オーストラリア、カナダ、チェコ共和国、フィンランド、フランス、インドネシア、日本、韓国、パキスタン、フィリピン、スペイン、スウェーデン、スイス、台湾、アメリカ、ベトナム、スロバキア)より、各国におけるWIN活動の報告が行われた。

<キーノートセッション>
5月19日(水)8:30-9:30 @東京ドームホテル「天空」 参加人数:約120名
「高温ガス炉による水素製造研究開発」小川益郎氏(日本原子力研究所)
近年、地球上のCO2濃度および平均気温が上昇し続けており、その対策の一つとして、化石燃料に替わって水素を利用する試みがなされている。原研では、原子炉を用いて水から水素を製造する研究を実施しており、連続製造試験に成功した。商用化に向けて、今後はパイロット試験を実施する予定である。

<国際市民フォーラム>

5月19日(水)14:00-17:00 @経団連ホール 参加人数:約450名
コーディネーター:木元教子氏(日本)、ゲストパネリスト:蟹瀬誠一氏(日本)
パネリスト:アニック・カルニノ氏(フランス)、アンネリ・ニクラ氏(フィンランド)
エレン・ジンズバーグ氏(アメリカ)、ビョンジョー・ミン氏(韓国) 小川順子氏(日本)
*パネリストが原子力に関する各国の状況を説明し、下記の通 り参加者と意見交換を行った。

Q:(茨城 イケノエ氏)フランスは8割が原子力ということであるが、事故はおきていないのか。

A:(カルニノ氏)安全性に係る専門家がいて、管理することで事故防止を行っている。このシステムがうまく働くことで事故を予防することができる(事前に対策を講じることが可能である)。

Q:(茨城 イケノエ氏)ドイツは原子力を段階的に廃止するということであるが、原子力に代わるエネルギーの見通 しについてどう考えるか。
A:(カルニノ氏)全ての原子力を他のエネルギーに代替するわけではない。10年後に再検討することとなっており、今は再生可能エネルギーに注目している。いずれにせよエネルギーミックスが重要である。

Q:(木元氏)ドイツは政権がかわれば、原子力の持続の可能性はあると思う。フランスから電力輸入が増える可能性はあるのか。
A:(カルニノ氏)ドイツは,解決策を考えているのかもしれない,フランスにもっと感謝してほしいと私は思う。

Q:(木元氏)アメリカの大停電がおきたとき、電力の安定供給に対する国民の関心は高まったのか。
A:(ジンズハ ゙ーグ氏)大変興味深いものであった。

Q:(福島第一立地地域 イイムラ氏)原子力は選択されると思う(火力や風力施設を見学して継続的にやっていけないと思ったから)。原子力を選択していくにあたって,核燃料サイクルを安全に進めて頂きたい。又、原子力の持つマイナス面 については住民の不安を払拭する必要があると思う。各国の原子力立地地域と人家の距離はどれくらいか。
A:(ニクラ氏)約500m。(ミン氏)PWRは約500m(560m)。CANDUはカナダから入れたものでありカナダでは960mとなっている。カナダの法律をそのまま適用しているので韓国でも960m。今後CANDUを作る計画はないが、これから作るのであれば520〜530mとなると思う。(ジンズハ ゙ーグ氏)かなり近くに住んでいる。(カルニノ氏)同じくらい(500m)。

Q:(福井美浜 マサオカ氏)原子力の寿命が30年と決まっていてものびることとなり不安がある。
A:(木元氏)使われている材の品質の問題に懸念があるわけであり、パーツの取替えをしなが取替えをし、入念にやることは当たり前、当然やらないといけないということとして研究されている。

Q:(福井美浜 マサオカ氏)廃棄物の中間貯蔵は50年ということであるが,50年後その期限が延びるのでは。
A:(木元氏)発電所で使用の終わった使用済燃料を中間貯蔵するがその保管する年数が50年というのは、国と県ではなく電力会社と県が決めたものである。50年が経過するまでに40年の段階で使用済燃料をどうするか,どのように処分するのかという計画書を提出する必要があり、従い50年経過するまでに方針は決まる。よって50年以上延びることは考えられない。

Q:(福井美浜 マサオカ氏)ミスは人件的なもの(作る人と操作する人が違うから起こる)であるから、地元市民と電力の技術者とのコミュニケーション、勉強会が必要。国の責任が見えてこない。
A:(木元氏)人材教育やトレーニング、自覚について電力会社や国も取り組んでいる。高レベル放射性廃棄物を処分するときにうまくいかなければ国が責任をとるということだけは明確になっているが他にも国がもっと顔を出すべきですね。地元と事業者のコミュニケーションの場所はあるはず。疑問点等あればどんどん言ってほしい。

Q:(茨城東海村 スズキ氏)私たちの世代は,原子力、放射線は危険である意識が強い。が、原子力は電気エネルギーのみならず、医療利用等の利点を持っており若い世代に前向きに教育すべきであると考える。原子力教育についてどう考えるか。
A:(ミン氏)現段階ではきちんとした教育がない。原子力の情報等を正確に伝えるよう研究が始まったばかりである。(蟹瀬氏)原子力は危険なものという前提で教育をすべき。そうすればその危険なものをどうやって制御し、どのくらいのリスクを考えてコントロールしていけばよいのか・・という方向に進んでいくからである。インターネットでリアルタイムに公開すべき。(ジンズハ ゙ーグ氏)参加型教育である必要がある。又、相対的なリスクについて分かり易く語るべきである。(ニクラ氏)若い世代が原子力は国際的なビジネスとして認識し、興味を持って頂くことができればエネルギーの重要性が分かることになる。

Q:(パキスタン シーダスカー氏)午前中のセッションで水素エネルギーの話を聞いて大変興味深かった。米国、英国でも研究されており、日本でも大きな成果 をあげたという話であったが、20年くらいの間に水素エネルギーを使うことができるようになる(実現化される)のか。
A:(木元氏)いずれ水素社会になるとしても、簡単にはできない。今は天然ガスから製造する方法が主流であるがコストが高い。原子力の高温ガス炉から水素を作ろうというのは、実験もして効果 も出ているが、現実の私達の日常生活に入ってくるのはかなり先のこととなる。だが、それは大切なことである。原子力から水素社会へ移行するということに対しては一つの展望がある。 (カルニノ氏)今朝の講義は、原子力発電所の主要目的は発電であるが、それ以外の目的でも使用できるということであった。例えば、暖房、電力、海水の淡水化、水素の生産などに使用できる。

 

5.年次大会・国際市民フォーラムの成果
・WIN-Global海外メンバーに対しては、年次大会の講演を通 じ日本の政策、技術的な取組みを紹介し、又、国際市民フォーラムをでは市民の生の声を聞いていただき、日本の原子力を取巻く状況や日本におけるWIN活動について理解を深めていただけた。又、年次大会、テクニカルツアー、オプショナルツアーを通 じてWINメンバー間での活発な意見交換を行い、同時に国際交流を深めることができた。
・市民フォーラムに参加した一般 市民の方にとっては、海外情勢に触れ各国パネリストと直に意見交換を行うことで多くのことを学び、各国の原子力事情についてご理解いただけた。フォーラム後のパーティーでも、「このような機会に参加でき大変満足した。」とのご感想を頂いた。
・大会の準備期間から開催当日に至るまで、本大会に関する記事が、新聞、雑誌等に多数取り上げられた。メディアを通 しWIN-Japanの活動を多方面に紹介することができ、メンバーのインセンティブにつながった。
以 上
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