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原子力・放射線の分野で働く女性たち

藤本 秋恵

日頃の仕事に関してプロになり、
仕事の効率化を追求しています

藤本 秋恵(ふじもと あきえ)

認可法人 原子力発電環境整備機構(NUMO)
技術部 性能評価技術グループ

入社動機について教えてください。

 大学では、原子力エネルギーに興味を持ち、原子力工学を学びました。大学の研究では、大気圏内核実験や原子力発電所での事故などによる大気汚染や大気環境への影響などを予測するために、事故などが起こっていない通常時におけるバックグラウンドデータの蓄積は有効であると考え、大気汚染や放射線災害などの予測や対策に役立てるために、連続的に採取した試料を測定や分析し、大気粒子状物質の発生起源や挙動、経年変化について考察しました。

 大学での研究を通して、特定の条件や状態に基づき実験した結果と、さまざまな条件や状態を設定して解析・評価した結果を比較することにより、双方の結果の信頼性を確認できると考えました。

 「地層処分」は、放射性物質が非常に長い時間をかけて地表まで移行するため、その様子を直接観察、実験することができません。しかし、移行するメカニズムについて、個々の現象に関する実験的な再現やさまざまな条件での解析・評価は可能です。

 以上のことから、大学で学んだことを踏まえ、今後は、地層処分の安全性を社会に伝えられる仕事がしたいと思い、NUMOに入構しました。

日頃の仕事は、どのような内容ですか。やりがいや、心掛けていることも教えてください。

 地層処分の安全性を評価する業務を担当しています。地層処分の安全性は、いろいろなシナリオを評価することによって示されます。手法としては、主に4つの段階があり、考慮する事象に対するシナリオの構築、シナリオに係る解析モデルの構築、解析に必要なデータに係る検討や整備、最後に、被ばく線量評価です。

 私は、そのうちのシナリオの構築に係る業務を主に担当しています。具体的には、地層処分における閉鎖後の長期の安全性を評価するために考慮しなければいけないシナリオのひとつである「人間侵入」に関して、最新の知見・技術を踏まえ、どのような人間侵入を検討すべきか、また、その事象が地層処分にどのような影響を与えるかなどを検討しています。そして、検討結果から、人間侵入シナリオや解析モデルを構築し、被ばく線量評価を行っています。例えば、処分場に人間が侵入するようなことは発生しないと考えられますが、あえて念のために、遠い将来、地下に地層処分場があることを知らず、地上からボーリングして処分場を貫通してしまった場合を想定し、地層処分に与える影響を評価しています。

 やりがいは、日頃の仕事に関してプロになること、および仕事の効率化を追求することにあると思います。とはいっても、まだまだ思うようにはできません。しかし、担当している仕事に関する質問に答えられたときや、打ち合わせで説明した内容が相手に伝わったとき、また、仕事が昨日より数分でも早く終わったときなどに、やりがいを感じます。

 心掛けていることは、よく人の意見を聞くこと、わからないことや困ったことがあれば、周囲に相談することです。

 日頃の仕事では、原子力工学だけでなく、地質学、水理学、土木工学、機械工学など、多種多様な分野の知識が必要です。そのため、日頃から、さまざまな分野の知識や意見を持つ人々と協力して仕事をしています。そのため、人の意見をよく聞き、わからないことや困ったことがあれば、周囲に相談することを心掛けています。

ワークライフバランスは、どのようにとっていますか。

 私が担当しているシナリオの構築に係る業務は、思考することが主な内容であるため、どこでも仕事をすることができます。そのため、つい、いつも仕事のことを考えてしまいがちでした。

 しかし、今後は、仕事と家庭生活とを両立させていこうと考えているため、「寝る前は仕事のことを考えないこと」「休日は仕事をしないこと」「夫との時間を大切にすること」を心掛けて、仕事とプライベートを切り分けていこうと思います。

(2015年6月当時)