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原子力・放射線の分野で働く女性たち

佐賀井 美都

新しい仕事で新たなネットワークができ、
それが今の自分を支えています

佐賀井 美都(さがい みと)

一般財団法人電力中央研究所
原子力技術研究所/原子力リスク研究センター
主任

入所動機について教えてください。

 学生時代は、特に専門分野はなく、就活でもさまざまな会社を受けました。そうしたなかで、電力中央研究所は、科学技術分野で社会貢献できる点に好感を持ちました。特に、会社のベースである電力を技術的にサポートするという仕事に魅力を感じました。

日頃の仕事は、どのような内容ですか。やりがいや、心掛けていることも教えてください。

 事務職として研究の進捗管理を担当しています。具体的には、研究が滞りなく進むよう、書類作成や他部署との調整を行います。職場の事務職は、私と上司の2人だけなので、広報や人事異動の手続き、研究者の海外での講演手配など、研究活動に伴う事務を幅広く任されています。どんな仕事にも通じますが、相手の立場でコミュニケーションをとるよう心掛けています。

 入所後は4年ほど労務を、6年ほど超電導分野を、2年ほど情報通信分野(電力システム)の研究サポートを経験しました。その後はずっと15年ほど原子力分野でいくつかの領域にかかわってきました。

 現在は、世界で最も広く使われている原子炉である軽水炉の保全特別研究チームで、プラントの運転期間を40年から60年に延ばす研究のサポートをしています。また、昨年発足した原子力リスク研究センターの企画運営チームにも所属しています。原発のリスク評価をする部門で、施設の安全性向上に向けた研究成果の発信を通じ、原子力事業者を支援しています。

 新しい仕事をやればやるほど新たな人的ネットワークができ、そのネットワークが以下の自分を支えていると感じます。プロパー職員の女性の割合は10人に1人で、特に原子力は女性が少ないですが、人材を最大限活用する職場です。私もWiN‐Japanや日本原子力学会、電気学会に携わる機会を与えてもらっています。

 東電福島第一事故から4年が経ちますが、また何も終わっていません。振り返れば昨日のことのようです。3・11直後、研究者は寝る間も惜しんで現場に行くようになりました。信じていた原子力が大事故を起こしてショックでしたが、使命感に燃えた研究員を見て、とても重要な仕事であると改めて実感しました。WiN‐Japanや原子力学会、電気学会の対外活動を通じ、一生自分なりに福島の事故と向き合い、収束への手伝いをしていきたいと考えています。

ワークライフバランスは、どのようにとっていますか。

 母が専業主婦だったこともあり、経済的には自立したい、子供ができても働き続けたいという意思を持ってきました。16歳から20歳まで、3人の子どもがいます。2歳ずつ離れているので、保育園や受験の機関が長く続き、夫(同じ研究所の研究員)とは、“同志”のような関係です。家を買う際に、職場や保育園まで近かったり、自治体の子育て支援のしくみを調べたりし、良い環境を選びました。

 自分のことや仕事、家族と、気持ちの切り替えを大切にしています。日課の朝のジョギングは、頭をまっさらにして仕事に向かえます。ほかに、週に何回かの、筋トレや水泳、20年ほど続けている華道など、それぞれに没頭することで頭を切り替えられます。最近は、小田急沿線に住んでいることもあり、雨の休日に箱根の温泉に行くのを楽しみにしています。

 もともと短大時代に秘書養成の専攻でしたが、この4月から、大学の通信講座で心理学を学び始めました。仕事でのコミュニケーションに生かしたいと思います。これまで原子力分野にどっぷり浸かってきたので、今後は他分野についても勉強したいと思っています。

(2015年5月当時)