
私は原子力発電環境整備機構(NUMO)の技術部・安全グループで、原子力発電所から発生する使用済燃料の再処理過程で発生する放射性廃棄物の、地層処分に関する業務にたずさわってます。NUMOは、使用済燃料の再処理にともなって発生する放射能レベルの高い廃液をガラス固化した廃棄体や、再処理工場の操業・解体にともなって発生する低レベル放射性廃棄物の一部を安全・確実に処分するための研究・調査を行なっています。こうした研究成果や調査結果をふまえ、地層処分をいかに実施していくのかというNUMOの考えを、広く示していくことが私の役割です。現在は地層処分施設建設地の選定へ向けて、その設置可能性を調査する区域を全国の市町村から公募しています。応募があれば、まず火山や活断層などの地質的な条件を満たすかどうかを確認後、文献調査→概要調査→精密調査という3段階の調査・選定を経て、処分施設の建設地を選定していきます。事業の成立性を示し、将来の事業許可申請のための準備なども行なっています。

やはり魅力は今までに前例のないことを扱っていて、自分たちがゼロから築きあげていけるということですね。地層処分は日本では初めての事業なので、法律や規則の制定といった制度作りの段階からたずさわれることには、やりがいを感じます。また、原子力の分野は一つひとつのプロジェクトが長期的なスパンで行われ、一つの基準を作るにしても準備段階から実際に動き始めるまで数年かかります。そして、その過程ではさまざまな機関からこの分野のスペシャリストが係わり、議論を重ねながらプロジェクトを完成へと近づけていきます。「国と一緒になって進めていく」大規模プロジェクトであるというのも魅力の一つだと思います。

WiNの活動は、私に多くのひらめきとヒントをくれます。普段技術部にいると、一般の方々の声を聞く機会がほとんどないのが実状です。でも、活動に参加することで新たな発見がありますし、専門家寄りの凝りかたまった見方から引き戻してもらえます。特にそう感じるのがWiN-Japanが各地で開催している交流会ですね。ここでは原子力発電所周辺に住んでいる一般の方々とコミュニケーションをはかることもできて、そうした方々が普段思っている「率直な思い」を聞くことができます。本当に刺激を受けますよ。学ぶことが多いですし、私にとって非常に貴重な場となっていますね。それに年に1回開催され、世界中のWiN会員と接することができるWiN-Global世界大会では、世界各国の会員が参加するだけあって、さまざまな情報交換ができます。これも普段経験できないことですし、モチベーションの向上につながっています。

放射性廃棄物の処分事業は国全体の課題であり、東京で多くの重要な議論が行われます。私は今、関西電力からNUMOへ出向していますが、東京で培った経験を関西電力に戻っても積極的に活かしていきたいです。そして、もっと自分自身を磨き、成長していけるように現在担当している業務以外のことにもチャレンジしていきたいと思ってます。さらに現在、世界中で深刻化している「女性技術者の育成」という点に関しても取り組んでいきたいですね。そのためにも、WiNの活動を通じ、経験を肌で感じていきたいです。世界的に見ても私のような技術職の女性は多くないですし、そうした特性を活かして通常業務、WiNの活動ともに、中心的な存在になりたいです。
