
報告者:小川順子(日本原子力発電)
1.開催日 2002年6月27日(木)~28日(金)
2.場所 フランス共和国 パリ市 CAP15国際会議センター
3.参加者 25カ国、139名。(日本からの参加者 9名(通訳(英国在住)を含む)
4.メインテーマ “New Chances for Nuclear Energy in a Changing World"「変革する時代における原子力のあらたな展開」
6.特記事項
ポスター展示
会場前のテーブルと壁に日本から持ちよったポスターや資料、ノベルティを展示した。ポスターの内容は、5月に行われた柏崎女性交流会の新聞広告、中国電力における広報イベント、WENの放射線プロジェクトの成果である。パンフレット類やノベルティは、人気があり、多くの人が持ち帰ってくれた。
年次大会終了後、WiN-Japanメンバーが集い、会場近くの中華レストランで、反省会および懇親会を行った。
CEA・Mr.ボウチャー氏「原子力システムの新たなチャレンジ」
・CEA・Mr.ボウチャー氏がプレゼンターとなり「原子力システムの新たなチャレンジ」と題する講演を行った。エネルギー供給は今後100年で、少なくても2倍、多ければ4倍も必要になる。発展途上国の台頭により、省エネは無理。CO2排出量 と地球表面温度の相関は疑いない。原子力のメリットを認識してもらうためには、経済性、安全に対する信頼の確立、原子炉寿命延長、燃料効率アップ、再処理技術の向上、プルトニウム在庫の安定化、次世代原子炉の開発などがあり、とりわけ、高レベル放射性廃棄物の管理であるというのが主な内容。
・カルニノ会長による講演。テーマ「安全と安全保障の国際化」。現在、原子力発電所、研究炉、燃料サイクル施設など、世界で約450にのぼる施設が登録され、それぞれの機械、機器がIAEAの安全基準に添っているかを査察している。安全は、国際標準で維持されることが必要。また査察する機関は、完全に独立した規制体であるべきだ。国際標準が適応される対象は、過酷事故管理、管理機器スペック、革新的設計、経年(炉)管理などである。安全文化は益々尊重されなければいけない。原子力安全とそれを維持するための訓練については、その経済性を考慮することも必要だ。優先順位 としては、企業の基準、国の基準、IAEAの基準となっている。つまり、企業の基準は、国の基準より厳しくあるべきだし、国の基準はIAEAの基準より厳しくなければいけない。
OECD/NEA・Ms.(Dr.)シュワルツ氏「大きな3段階の前進」
OECD/NEA・Ms.(Dr.)シュワルツ氏による講演「大きな3段階の前進」。原子力事故が起こった時の補償問題に関する内容。原子力事故は、複雑な技術ゆえに、責任者がはっきりと決められないという問題があるが、原子力のように、国境を越えて被害が及ぶリスクについて、きちんとした金銭的な補償を、国際的な取り決めとして、確立する必要がある。過去に置いて、3回の国際会議によって、被害者に対する補償が充実してきた経緯を説明した。
【招待講演】AREVA・Ms.ロウヴァージョン氏「変革の時代における原子力産業の取組み」
・AREVA・Ms.ロウヴァージョン氏「変革の時代における原子力産業の取組み」と題する講演を行った。世界情勢の紹介や、原子力がコスト競争の中でどのように生き延びていくかなど。女性に対するアファーマティブアクションも必要と述べた。
・(注)AREVA:2001年設立。COGEMA、FRAMATOME ANP、FCIを統合した総合原子力発電サイクル産業の一大企業。サイクル全般 に亙り関係している)
・URATOM・Ms.コモーヤノーシス氏の演題「EURATOMのエネルギー戦略」。環境問題特に温暖化問題を重要視。エネルギーの効率の向上により環境悪化防止を目指す。原子力では、バックエンドが注目され、特にデコミについては、これから増大する分野であり、コストダウンが必要。フランスの電力事情は、民生用中心に伸び、今後35年間で2倍になると予想。フランス人の75%は原子力について安いエネルギーと思っている。
本日の議長、Ms.フォウコ氏による基調講演。
演題は、メインテーマと同じ。「変革する時代における原子力のあらたな展開」。副題として、「現代市民社会との相互作用:経験の共有」。フォウコ氏は、女性の原子力発電所長第1号として、その美貌とともに有名な方であり、筆者は、1998年台北大会の際、一緒に記者会見を受けた経験がある。講演内容は、フランスではあらゆる世論調査が原子力産業にとって厳しくなっている。例えば、1996年56%あった原子力が最重要エネルギーとする考えが2001年には、37%に減少、将来電源として原子力に反対する考えが27%から49%に増えるなど。原子力の優位 性は世論調査上は失われつつある。人々が危険と思う要素の中で大事なのは、自分自身で選択可能かどうかであり、原子力は選択できない押し付けられるものと思ってあり、そこに、原子力への許容度の低さがある。しかし原子力なしにはエネルギーの安定供給や、環境問題は論じられないのも事実で、そのためには、教育も大事だし、対話により原子力に働く人と一般 市民の間に、心の交流を作ることも重要。原子力産業の中で、女性はまだまだマイナーだが、これは良いことではない。女性は「いのちの象徴である:Women are a symbol of life.」(この言葉非常によいと思った。今回のキーワードにしたい。)より多くの女性がこの仕事につくことは、原子力が、社会的に必要なものであり、社会に幸福をもたらすことを証明することになる。内容以上。それに対して、(発表中の)世論調査結果 への疑問や、若者にとって一番の関心事は地球の温暖化を阻止することであり、若者が原子力離れしているという主張はおかしい、など、スピーチ前半の内容に対する反対意見がかなり出た。
参加者 |
パネルディスカッション風景 |
集合写真 |
WiN-Japan参加者 |